異物誤食
おうちの中で人の食べ物を食べられてしまったり、散歩中に食べ物じゃないものをうっかり食べてしまったりなんて経験はありませんか?
食べても何ともないものもあれば、以前お話したような中毒をおこすものもあったり、物理的に消化管(口、食道、胃、小腸、大腸)を傷付けてしまうものもあります。
今回はそんな異物誤食のお話です。
ある日、数日前から吐き気が続いてぐったりしているというワンちゃんが来院され、お腹を触ってみるとお腹の中に何か丸くて硬いものが触れました。
次に、レントゲンを撮ってみると下腹部に丸い影が映っていました。(青矢印)

さらに超音波検査でも異物と思われる影が見られたため点滴で体調を整えてから開腹手術を行いました。
すると腸の中から出てきたものがこちら ↓

桃の種です。
小型犬の小腸の太さは約1cmですが、この桃の種は厚い部分で3cmありました。
これでは肛門まで通りません。
手術後はみるみる体調が回復し、術後4日目で元気に退院できました。
今回は異物の大きさが原因の腸閉塞を起こした状態でしたが、異物の種類によって傷の状態も変化します。
例えば、釣り針が食道に引っ掛かったり、竹串が胃を貫通したり、ひもが腸の広い範囲に絡まって出血や壊死を起こしたり…
いずれの場合も時間が経つほどに状態が悪くなっていき命に関わる危険性が高くなります。
何か食べてしまった時にはすぐに動物病院に相談をしましょう!
そしてうっかり変なものを食べてしまわないよう十分に気を付けてあげましょう!
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