肥満細胞腫②

今回も肥満細胞腫についてお話をいたします。

こちらのワンちゃんはおでこに小さな赤いしこりができて当院に来院されました。

写真ではすごく小さいのでしこりの周りに黒く印をつけてあります。

針を刺して調べる細胞診という検査で肥満細胞腫と診断がつきました。

肥満細胞腫は見た目以上に腫瘍細胞が広がっていることが多いので、できれば広く手術をしたい腫瘍の一つなのですが、今回のしこりも大きく切除すると見た目の変化が大きくなってしまう場所にあったため、飼い主様との相談の結果しこりの周囲1cmを切除する方法となりました。

手術直後の写真です。

切除したしこりを病理検査に出した結果、組織学的な悪性度はやや広がりのあるグレードⅡでしたが、取り残しなしという結果でした。

以前ご紹介した肥満細胞腫はグレードⅠでしたので、それに比べやや悪性度が高いものとなります。

顕微鏡写真がこちら↓

上側が皮膚表面、下側が筋肉で、〇で囲った中に見える紫色の部分が腫瘍細胞の集まりです。

グレードが高い(悪性度が高い)ものほど、まとまらずに周囲の組織に入り込むように広がっていく傾向があります。

幸い、今回の腫瘍は左右にも下側へも取り残しはありませんでした。

手術から2週間、抜糸した時の写真です。

糸の痕が赤く残っていますが、そこもかさぶたになって治るとほとんど分からなくなります。

これで一安心です。ただし、このような腫瘍は他の場所にできる(多発)することもあるので、早期発見のため定期的な検診お家でよく触ってあげることが大事になります。

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